2001/03/25

懺悔の日記

 長男ごめん
   長男は ちゃれんじ という通信講座を受けていて
  1ヶ月に1枚プリントを送ると、ごほうびにシールが8枚貰える
  彼は割とまじめに送り続け、240枚ためて
  液晶テレビを手にする日を夢見ていた。
  そして、いよいよあと8枚、というところで
  私は,彼の3年間の努力の結晶のシール台紙を、間違って捨ててしまった。
  ちゃれんじの会社がなくなったと大嘘つくとか、
  ちゃんとしまっとかないから、と逆ギレしてやるとか
  色々、姑息な手段を考えもしたけれど
  間違いはきちんと認めようと思い、同じ物を買ってきて、正直にあやまった。
  ただ、そのとき使ったのは、
  長男が、こつこつ貯めているお年玉だった。

 お父さんごめん
  お父さんが、まだ車椅子に座れていた頃
  髪がずいぶん伸びたので、私が切ってあげた。
  おしゃれなお父さんだったので
  なんども「いいか?いいか?」と聞いていた。
  私は「いいよ、慣れてるから大丈夫だよ」と答えてあげた。
  ただ、人間の髪は切ったこと無かった。
  成仏は、だめか?

 バービーちゃんごめん
  小さい頃、すごく欲しかったお人形を買ってもらった。
  それは、いきいきバービーといって
  全身の関節が、実に細かく動く、すぐれものだった。
  うれしくて、私はあちこち動かし続けた。
  そのうち、逆関節がいやな音をたてて決まりだした。
  次の日
  バービーちゃんは、もう、いきいきしてはいなかった。

 お兄ちゃんごめん
  長男が、まだ小さい頃
  どうせわかりゃしないだろうと思って
  当時乗っていた、ブルーバードをフェラーリと教えていた。
  コンビニの駐車場にいたら、同じ車種のブルが入ってきたので
  長男は「あっ!ふぇらーりだあ!」と叫んだ。
  その時、となりに駐車していた
  赤いスポーツカーのお兄ちゃんの眼球が
  がーっと駐車場を一周したのを見てしまった。
  お兄ちゃん、ポルシェの方がよかったか?ん?

  お友達、ごめん
  パパが、お友達の結婚式に出席するため東京に行った。
  その前日はものすごい大雪で、ま、少し大変だった。
  私は、出席者の事を考えて
  結婚式は、気候のいいときにした方がよかったんじゃないか、と思った。
  そして、程なく私たちの結婚記念日がやってきた。
  そういえば、あのときも東京は雪だった。

以上

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