01.30.2006

店長が書いたかも知れない日記

　奥さんはぼくの事が大好きです
　いつも、ぼくをハート型の目でじっと見ます
　そうすると、ぼくはふらふらと財布を出してしまいます
　奥さんが、熱い目でぼくを見るのは
　なぜか、レジの前ばかりです
　母さん、ぼくは幸せです

　奥さんは１１時頃になると
　ちょっとコンビニ行ってくる、と言って
　迎えにきた友達と出かけることがあります
　コンビニは歩いて２分位のところです
　奥の部屋には、ぼくの昼御飯が置いてあります
　ちょっと冷めています
　奥さんはコンビニの前に座って、肉まんでも食べるんでしょうか
　風邪をひかないか心配です

　ぼくがアメリカに行った時
　長男も修学旅行でした
　電話したら奥さんは、ちょっと泣いてるみたいでした
　次の日電話したら「もう慣れた」と言いました
　その次の日、夜中なのに奥さんは留守でした
　ドイツから電話した時は、初日からいませんでした
　ぼくは３回も留守電に入れました
　グーテンターク、グーテンモルゲン

　ぼくは最近結婚指輪を無くしてしまいました
　奥さんは長男に
　パパはもうママを愛していないから、と教えていました
　神様、金属アレルギーの名のもとに
　はるか昔に奥さんの指から消えた指輪は
　今、どこにあるんでしょうか
　アーメン

　奥さんはぼくのバスタオルに
　でかい字で「ぱ」と書いてくれています
　書いてあるのは、ぼくのだけです
　ぼくのだけなんです
　
　ぼくは毎日きちんと日記を書いています
　奥さんは「つまらないから」と言って読んでもくれません
　誰もぼくをほめてくれません
　でも奥さんには、全国の知らない方から
　書いて下さい、楽しみにしています、というメールが届きます
　奥さんはcoming soon と返事をしますが、いっこうに書きません
　なんだか、神に祈りを捧げたくなりました

　先日奥さんとアウトレットへ買い物に行きました
　３０００円のジーパンが気に入ったようだったので
　「クリスマスプレゼントに買ってあげるよ「と言うと
　「そんなことはイエス様がお許しにならない」と答えました
　普段、自分の意見をはっきり言わない奥さんが
　久々にきっぱりと言った瞬間でした
　奥さんの背中に金色の光を見ました

　父さん、ぼくは幸せです

以上